大阪高等裁判所 昭和60年(ネ)721号 判決 1985年10月24日
控訴人(債務者) 株式会社日本エレツクこと三宅博 外一名
被控訴人(債権者) ワイヤプロテクタ工業協同組合
原審 大阪地方昭和五九年(モ)第二三二六号(昭和六〇年三月二〇日判決、一七巻一号七八頁参照)
主文
本件控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人らの負担とする。
事実
控訴人らは「原判決中、控訴人ら敗訴部分を取り消す。被控訴人の請求を棄却する。訴訟費用は一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決を求め、被控訴人は控訴棄却の判決を求めた。
当事者双方の主張は原判決事実摘示と同一であり、証拠関係は原当審記録中の各証拠目録記載のとおりであるから、これらをここに引用する。
理由
当裁判所も、原審でなされた仮処分決定は原判決認容の限度でこれを認可し、その余はこれを取り消し、該部分に関する仮処分申請を却下すべきであると考えるものであつて、その理由とするところは、次のとおり附加するほかは原判決がその理由中で詳細に説示するとおりであるからこれをここに引用する。
1 当審で提出された疏乙第一一一号証によつても引用にかかる当裁判所の認定判断を左右することはできない。
2 なお、控訴人らは、(イ)控訴人三宅は本件イ号各商品を製造販売した株式会社ユタカ化工社(もと本件相債務者)の従業員にすぎず、また(ロ)控訴人成田はその傍系会社である東京ユタカ化工販売株式会社の代表取締役であつて、控訴人ら各個人としては本件イ号各商品の製造販売と無関係である旨るる弁疏しているが、右弁疏がにわかに認め難いことは原判決が説示するとおりである。のみならず、仮に控訴人ら主張のとおりであるとすれば、控訴人らは本件仮処分によつて特段痛ようを感じない筋合いであつて、これを争う実際上の必要と利益はないともいえるところである。
よつて、これと同旨の原判決は相当で、本件控訴は理由がないからこれを棄却し、訴訟費用の負担につき民訴法九五条、八九条、九三条を適用して主文のとおり判決する。
(裁判官 今富滋 畑郁夫 遠藤賢治)